スタイルハウス
VWバス好きのご夫婦が建てた海近、マンサード屋根の赤い家

20代のご夫婦が、ワーゲンバス、そして小さなお子様の事を考えて建てた真っ赤な家。
ビーチ沿いの道から少し入ったところにある大宮邸は、大きなデッキとマンサード屋根、そしてご夫婦がDIYで仕上げた珪藻土の室内壁など、アイデアが満載されています。


海岸沿いの道を少しはいったところにある、真っ赤なマンサード屋根の家。そしてガレージにはブルーのワーゲンバス。大宮さんのお宅は、はじめて来た方でもすぐにわかる、とてもかわいらしいエクステリアが特徴的である。

この日、朝の10時半という約束の時間にお宅を訪れると、1階のウッドデッキで作業をしているご主人がちょうど出迎えてくれた。「まだ大工さんが、いろいろやってくれているんです。昨日だったら、まるで片づいてなかったんですよ(笑)」。
じつは大宮さん、1週間前に引っ越したばかり。洗面所内の取っ手取り付けなど、まだ作業が残っているという完成まじかのところにお邪魔してしまったのだ。


現在29才の大宮さんご夫婦は、1歳半のお子様との3人家族。ご主人も奥様ももともと青森のご出身ということだが、6年前にご主人のお仕事の都合で神奈川県の横須賀市に引っ越してきたという。
「前の仕事は2年おきに転勤があったんですが、それがいやで転職をしたんです。今の仕事は転勤もないし、子供も生まれるので家を建てようと思ったんですね」。もともと英語が好きだったという奥様が、米軍基地で働いていたのをきっかけに、ご主人も同じくベースに転職。海のそばに家が欲しいと思ったのは一昨年のことだったという。


「はじめは建売住宅を探していたんですが、どうせだったら好きな家に住みたいなと。ガレージのある家が欲しくて、ネットを見ていたらスタッフというビルダーを見つけたんです」。
スタッフの代表、大内さんは古いオースチンに乗るクルマ好きということもあり、すっかり意気投合して建築を依頼することに。ちなみに土地は、運良く海近の場所をご夫婦が見つけたのだそうだ。
そしていよいよ設計開始。ここからスタッフと大宮さんの家造りがスタートしていくのである。
大宮さんご夫婦の要望は、とにかく建具や壁など自然素材にこだわった家が欲しい!というもの。なんでも化学物質の入ったものは、まったくなしにしたかったのだそうである。


室内の壁はすべて珪藻土仕上げとなっているのだが、じつはこれ、大宮さんご夫婦の手で仕上げられたものだという。
「12月からはじめて、2月上旬までかかりましたね。珪藻土の袋はひとつ7.5kgあるのですが、それを19袋。全190uも塗ったんですよ!」。
大宮さんが購入した珪藻土はサメジマコーポレーション社のもの。同社では、広く一般ユーザーに向けて施工の研修をしており、ご夫婦もこれに参加したのだそうだ。ただ天井などはかなり苦労したのだとか!しかしながら、その甲斐あって、内壁はローコストかつ健康的でデザイン性も高い仕上げとなったのである。


また間取り的な要望では、LDKが20畳以上で、ビルトインガレージを1階に設けることが第1の条件。
それを元に(株)スタッフの大内さんが設計を進めていったのだ。「基本的にはすべてお任せで、最初に描いていただいたプランどおりに仕上がったんですよ」。


赤い外壁の色は、北欧の古びた建物や、ディズニーランドなんかで古めかしく仕上た黒っぽい赤をイメージして採用したもの。まだ完成したばかりで、ピカピカに輝いている壁だが、年数が経つにつれてこれから大宮さん好みの色に変わっていくはずである。
こうした微妙なニュアンスは、実際に建築を担当する大工さんとのやりとりも重要なポイントだが、ご夫婦にとってはそれもまた楽しかったという。
「大工さんとも気があって、なんでも話せましたね。ここにワーゲンのマーク入れたら?とか、私たちのイメージする以上のことを次々とやってくれるんです」。
この日も、大工さんたちが洗面所の鏡や建具の取手を取り付けにいらっしゃっていたが、じつはそうした金具や照明などはほとんど大宮さんがネットなどで個人輸入したものを取り付けてくれたのだとか。
「アメリカンスタンダードやコーラー、デルタ社など、水栓金物やシンクはすべてネットで購入したんです。それを家に合わせて取り付けていただいて・・・。そんなこと普通の大工さんだったらきっと嫌がりますよね」。
施主の建てたい家、やりたいことを聞き入れ、面白がって設計、施工をしていくというビルダー側のスタンス。大宮邸はこうして完成したのである。


キッチンカウンターはダイニングテーブルを兼ねたもので、リビングに合わせて造作したもの。
天版はINAX製のタイルを貼ることで仕上げている。ハートマークの収納は大工さんのアイデア。


お気に入りのポイント
収納をいっぱい作ってくれたところ。ガレージ、キッチンなどすべて気に入ってます。
ちょっと失敗
3階はアルミサッシにしたんですが、すべてペラのサッシにすれば良かったです。結露が断然違います。
読者へのアドバイス
やっぱり、気の合った建築家や大工さんと家を建てると、楽しいし好きな家が建てられると思います。
建築家から一言
施主さんと一緒に家造りを楽しんで
(株)スタッフ代表:大内巌さん
大宮さんとは、まずご主人とクルマの話で盛り上がったことがきっかけでした。
整備するためのピットの深さや、ガレージからもトイレに行けるようにしようとか、そんなことばかり話してましたね。(笑)
ウチの職人さんも楽しんで仕事をしてました。
プランニングデータ
敷地面積: 121.79u
延床面積: 110.97u
構造: 2X4工法
家族構成: ご夫婦+子供1人
建築費: 1,900万円

ガレージと玄関はつながっているため、そのままクルマに乗ることが可能。
床はテラコッタタイル敷きで、棚にはご主人のコレクションが並ぶ。


ガレージはご家族の足として活躍する’67VWウェストフェリアのサイズに合わせて設計。
床はデザインコンクリート仕上げで、一部木を外すとピットとなる。


ペラの防火トリプルガラスサッシに珪藻土の壁、ドイツ製の床ワックスを自ら塗ったというパイン材フローリングと、ナチュラルなリビング。お子様にも安心。水槽にはアロワナ。

玄関脇のホビースペース。将来的にはここにテーブルとイスを置いてちょっとした書斎として使用したいとのこと。
奥はコーラの冷蔵庫。

ガレージの奥は、木製の観音開き扉となっている。
自分でVWの修理をこなす大宮さんだけに、予備エンジンのストックも。

マンサード屋根の形がそのまま個室となった3階のベッドルームは、白いシーリングファンがポイント。
窓からは海が見えるという、なんとも羨ましい環境。


2階洗面は、ベレーフォレットの水栓にメキシカンシンク。
キッチンのシンク、水栓ともにコーラー社をネットで個人輸入。
シンクはパラゴンプロダクツで250ドル程度だったとか。

家の前にはお子様の手形を記念に!
よい思い出になること間違いなし。