ガレージのある家 建築家作品集
何十年も何千万も返すローンですから、ひとつご主人の夢を叶えましょうよ!大内巌 株式会社スタッフ 代表取締役

高校卒業後、20歳で不動産会社にて勤務し「何十年もローンを払うのに、施主が個性のない同じ家に住んでいること」に疑問を持ち、「自分だったら!」と夜学で建築士の資格を取得。'82年に23歳で同社前身をスタート。独特の芸風?が魅力の業界注目の輸入住宅ビルダー。


編集部: 大内さんのところには、クルマ好きの施主さんがなぜか集まるみたいですね?
大内: たまたま僕やスタッフが古い英国車などのクルマ好きなんで、そういう施主もいらっしゃいますが、動物好きとか模型好きの方など、趣味を持っているお客さんが多いですね。
編集部: 面白そうですね。
大内: うちには、メーカーさんとかさんざんまわったあげく「予算がありません」とか「そんなプランはムリです」なんて言われて、挫折しちゃった方が来るんです。業界では「象の墓場」なんて言われてますよ(笑)。
編集部: 口コミで、最後にたどり付くという部分ですよね?
大内: だから予算のあるお客さんなんて来ませんね。たいてい、すっかり夢をあきらめちゃってる人が、どこかで「スタッフならやってくれるかもよ?」って聞いて来るんです。
編集部: その夢を実現させると!
大内: 最初はみなさん「こんなこと言うと無理って言われるかな?」なんて、遠慮してあまり要望を言わないんです。でも、趣味を持っている方って、すがる目つきに好き者のニオイがするっていうか(笑)
編集部: ああ、ほんとは言いたいことがあるんだろうな・・・・という?
大内: 予算の問題や家族の反対など、趣味の家は普通、難しいですものね。
編集部: 例えばご主人がガレージを欲しいとして、奥様が反対してたらどうされるんですか?
大内: ガレージの分LDKを広くできるでしょ!なんてね。でもクルマの話に持って行き亭主を応援しますね(笑)。それでキメセリフは「奥さん、許してやりましょうよ。この家のローンは何十年も何千万も返すんですよ!だったらひとつくらい、ご主人の夢を叶えてあげましょうよ・・・。そうすればご主人もよく働きますから」と。
編集部: (笑)
大内: でも、それと同時に奥さんの希望も必ず取り入れなくてはダメですね。キッチンに趣味の要素を取り入れるとか、和裁の部屋を作るとか。
編集部: でも、この奥さんの顔色で、だいたい折れるか分かるとか。
大内: 僕もこずるいのでね(笑)。でも、竣工まぎわでご主人の夢が叶いそうってときは、そのご主人の顔を見る奥様はほんとにキレイですよ。ご主人はただの子供ですけど。
編集部: 予算はどうクリアするのでしょうか?
大内: ウチは街の洋食屋みたいなスタンスでやってます。5万円のフレンチなんてウマくて当たり前ですが、喫茶店に行って、1000円のハンバーグが美味しかったら嬉しいでしょ?ウチはそっちですね。
編集部: 御社は、1000万円台の家もかなりありますが、どれも高気密、高断熱の輸入住宅で、とてもローコストには見えませんよね。
大内: この時代ですから、安く、いいものでないと生き残れませんよね。
編集部: ところで、大内さん前のSLKはすぐに売ってしまったんですね。そのクルマはなんていう?
大内: '64ウーズレーホーネットです。SLKは、そのレストア代に消えました。安くてパーツが多いからミニは楽しいですよ。ウーズレーは、知り合いのショップに事故車が入ると、そのパーツでガンガン調子よくなってます。「オマエは死に神かっ?」て言われますけど(笑)。
編集部: スタッフさんの前にも、ご自由にどうぞって、ムクの廃材が置かれてますよね。これ持って帰って僕も棚でも造ろうかな?
大内: 造り方教えましょうか(笑)。

建坪10坪でクルマをビルトイン 3台のミニを収納する輸入住宅

格安で売りに出されていた土地は、20坪の「く」の字型の敷地。 ここに、家族4人と趣味で乗っているミニのガレージを3台分。 しかも、スタイリッシュな輸入住宅でデザインも考えて・・・。 完成したのは建坪10坪に夢を詰め込んだガレージハウスであった。


Aさんご夫妻が数年前に購入した土地は、一般的には地形が悪いとされる「く」の字型の20坪の敷地。 輸入住宅ビルダーの「スタッフ」の設計士として住宅設計を手がけるご主人は、自宅の図面を自らが引いていくこととなった。
彼の一番の趣味はミニ。ライレーエルフ、モーリスミニマイナーを所有する彼は、敷地内にそれらのクルマの収納と来客時のクルマ1台、LDKにベッドルームと2人のお子様の為の部屋、客間として使用する和室に書斎兼趣味の部屋をプランニングしていったのだ。
この4LDK+ガレージという間取りを3階建てで実現するために、A邸は構造的に丈夫な2X4構造での設計がなされている。さらに、この住宅では土地面積に余裕がないながらも意匠製を優先。
ただの箱形になりがちな狭小住宅だが、外観も室内も広く見せたいという配慮から、吹き抜けを設けるなど、緻密な計算で狭さを感じさせない作りとしているのである。
このほか、基本的にはすべて輸入部材を使いながらも、ガレージ内の壁材などは既製品を使わずに材料を加工して使うなど、各部を上手にコストダウン。建坪10坪で見事、家族と自分の夢を叶えたのである。