ガレージのある家 建築家作品集
玄関、書斎、そして寝室まで!愛車と過ごすアイデア設計


「ガレージがあれば、あとはベッドとミニキッチンがあればいい」この住宅のオーナー、戸村さんは、当初こんなことを話していたほどガレージへのコダワリが大きかった。
19年前にイノチェンティミニに乗ったことがきっかけでミニにのめりこみ、とうとうマークIクーパー、モーリスクーパーS、ミニ1000HLの3台を所有する事となった彼にとって、ガレージングハウスはどうしても必要な住宅であった。

「3台のミニと生活がしたい」そう願い続けていた戸村さんは、ある日ミニ乗りの友人、浅葉さんに相談を持ちかける。
彼は、(株)スタッフという輸入住宅ビルダーで設計を手がける建築士で、建坪10坪の家にミニを3台収納させているという、自ら設計した住宅に住んでいるのだ。そして、同社で住宅を建築することを決めた戸村さんは、浅葉さんと共にミニのための家造りを進めていった。

購入した敷地は、新しく区画分譲された土地。中でも傾斜地に隣接した変形土地を選び、地形が悪いからと不動産屋に交渉して安く手に入れたという。
敷地面積は50坪。しかしそれは左右に挟まれた住宅との間を通る道路を含めたもので、3台のクルマを無理なくビルトインさせ、しかも予算内に収めるためには、いくつものスタディを重ねなくてはならなかった。
しかしお互いにミニが好きだということもあり、基本設計後のプランニングは順調に進んでいったという。

さて、戸村邸はミニの色に合わせたグリーンのサイディングとブラウンのオーバースライダー、三角屋根が印象的な住宅として完成した。
ガレージは2台を収納する吹き抜けのガレージと、もう1台を収納するタイル貼りガレージの2つをレイアウト。これは1つのガレージにクルマを3台入れてもあまり面白くないということから、大きなガレージは床や壁を汚してクルマをいじれるレストアスペースに。
テラコッタの床とセニデコの壁で仕上げた1台分のガレージはクルマを飾るミュージアムとして、空間を独立させたのである。

ガレージは吹き抜けとなっており、2階の寝室からはクルマが2台見渡せるようになっている。当初はこの空間にリフトを入れて、計4台ミニを収納するという話も持ち上がったそうだ。


ガレージのサイズはミニ専用設計。2台が納まるガレージの内壁は、仕上の構造用合板を互い違いに貼ることで、動きのある壁としている。ガレージには工具のほか、コレクションのオイルサインやミニカーをレイアウト。


2つのガレージが見渡せる贅沢な書斎。棚にはミニのパーツやミニカーがびっしり。


リビングダイニングは8畳。キッチンは対面式で、カウンターで食事がとれるようになっている

2階の踊り場にはミニをかたどった明かり取りを確保。
グリーンの天井はミニのカラーリングを意識したものだ。
自慢のポイント

シャッターを開けたときに3台のミニのオシリが見えるところでしょうか。また、ミニカーを飾れる書斎を設けたところが良かったですね。


ちょっと失敗

シャッターをオーバースライダーにしたので、リフトでクルマを上に積めないことでしょうか。


これからの夢

2台入っているガレージの上の空間を利用し、梁に強化ガラスを貼り、その上を部屋にしたいですね。


読者へのアドバイス

ガレージの脇に温水の混合栓を引いてもらったんですが、これは冬場の作業で絶対に必要だと思います。
また、同じクルマが好きな設計士さんなら、まず間違いなく素敵なガレージングハウスが建つのではないでしょうか。


建築家から一言

(株)スタッフ・大内巌さん、浅葉孝光さん
ミニといえどもクルマを3台収納するとなると、ガレージ前でスムーズにクルマを出し入れするスペースも必要ですし、LDKとガレージのバランスなど結構悩みましたね。
でも、お互いミニ好きなので(浅葉氏は3台ミニ、大内氏はセブンとライレーを所有)、とても楽しい住宅に仕上がりました。
変形土地や構造用合板など安い部材でも、建て方や使い方で魅力的な家が完成します!
しかしウチに来るお客様はどうしてクルマと怪獣が好きなんでしょう?

プランニングデータ
所在地: 神奈川県
建物年数: 1年
構造: 2X4工法
敷地面積: 122.02u
延床面積: 30.7u
クルマ: クルマ3台
総工費: 2,400万円